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熱風ヒータ 第三のブレークスルー

ブログ2018/08/15

熱風ヒータにはこれまで2回のブレークスルーがあった(と思う)。一回目は密着花巻コイルが完成したとき。これで従来の最良のヒーターよりもサイズが1/3になった。二回目は圧縮花巻コイルが完成したとき。これでサイズが更に1/2になり、耐風圧が数十倍強くなった。
今回の改良は外観的、原理的な大変革はない。しかしサイズが更に1/2になり、1000℃を超える熱風が容易に作れる様になった。

この熱風ヒータは超高熱交換効率の熱風ヒーターとでも言うべきだろう。構造的には密着花巻コイルを更に1/2にまで圧縮したHDコイル発熱体なのだが、外管に納まり圧縮が可能な範囲で最大径の電熱線を使い、ある程度以上の巻き数で成形するとエアー通過抵抗が非常に高くなる。
これまでエアー通過抵抗(圧損)は低い方が良いという固定概念があった。これはある意味真実ではある。供給エアー圧力は低い方がエアーの供給も楽だし、場合によってはコンプレッサーではないエアー源(ロータリーブロア等)も使える様になる。
しかし現実問題としてはロータリーブロアが使われる事は極まれで、コンプレッサーを使われるのが殆どであった。しかしそれであれば供給圧力が0.3MPa以上であっても問題はない。そこで圧損を従来製品の0.03MPa程度から約10倍の0.3MPa程度まで上げる事で、著しい性能の改善がある事を発見した。
エアー通過抵抗を大きくするには電熱線径を最大限太くして高圧縮のコイルにすると共に中心のセラミック管と発熱体の隙間,発熱体と石英外管の隙間をほぼゼロにしなくてはならない。この点で高い製造技術が要求される。
このエアー通過抵抗を可能な限り大きくして圧力損失を0.3MPa程度にもっていくと、内部の実質流速が極めて高くなり、更に高度の乱流状態となるので、発熱体からエアーへの熱伝達効率が著しく改善する。

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上写真はこの発熱体である。外径サイズの割に太い電熱線でまかれており、更に圧縮されているので、エアーの通過経路が狭い上に複雑に入り組んでいる。
ここを高い圧力をかけてエアーを通せば、そのエアーに極めて効率よく熱が伝わるだろうという事は直感的にも分かるだろう。
パチンコ台で釘の数(密度)が高くなっていくと玉が釘で反射されてジグザグになる率が釘の密度の増加以上に急激に増えていくのと似ている。釘にぶつかるたびに玉のエネルギーが釘に伝わるが、これも電熱線の熱エネルギーがエアーに効率よく伝わる様になるのと似ている。
例えばこの石英外管にエアーを流す場合を考える。内径はΦ12.5だから、これに150L/min.のエアーを流したとすれば、
流量150L/minの単位を変換する→150L/min.=150000cm^3/min..=2500cm^3/s石英外管の内径Φ12.5の断面積=(1.25/2)^2×π=1.23cm^2すると流速は2500/1.23=2032cm/s≒20m/s 
つまり流速は20m/sと算出されるが、この発熱体が存在すると実質断面積が、かなり狭くなる。さらに高温になる事でエアーも熱膨張するので実質風速は100m/s超と考えられ、しかも通路は複雑に入り混んでいるので、複雑な渦流となり大きなエアー通過抵抗を生じる。
通過エアーが抵抗を受けて圧損が生じるということは、圧縮エアーが持っていた圧縮エネルギーが開放されて速い流速や激しい乱流のエネルギーに変わったと解釈できる。
この構造はHDコイル発熱体だからこそ採用できた。HDコイルは従来の密着花巻コイル発熱体よりも数十倍以上大きな圧縮強度をもつためだ。
この様に高圧損設計にする事により、高温対応(1000℃~1100℃)と小型化(電熱線表面負荷が約2倍、つまりサイズが約1/2)の両方を同時に満足するヒータができた。従来のSAHタイプにくらべ、高温性能は従来の800℃maxから1000℃以上に改善し、サイズは約1/4になった。

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   超大出力 9kwヒータ   Φ28mm×240mm  9kwなのに驚異的に小さい

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製品は下記HPに商品として掲載した。フィンテック社HPの左メニュの熱風ヒータ枠にある「標準(Sシリーズ)」にある。http://www.fintech.co.jp/nf-SAH/sahs-nf.htm
15シリーズのL=155mmで4kw (金属ケースΦ19×155mm)18シリーズのL=200mmで6kw (金属ケースΦ22×200mm)23シリーズのL=240mmで9kw (金属ケースΦ28×240mm)
これらは小型化と同時に高温用(1000℃以上)となっている。少し以前の当社の常識からは想像できない仕様だ。従来は高温用発熱体は約2倍の大きさだったので、それに比べると約1/4のサイズになる。

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